コイケマリンサーベイ合同会社

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喫水検査の概要

大量のドライバルク貨物は、船舶により世界の様々な国から国に運ばれます。その貨物の積載量は、積載前後に船舶が排除した液体(一般的には海水)の重量を求めることにより算出されます。
これは、物体が押しのけた液体の重さが浮力と等しくなるというアルキメデスの原理を使っています。原始的な方法ですが、自然の原理を使って船舶という大きな器で1回で測る方法ですので、その作業環境さえ良くしてやれば高い精度が得られます。
喫水検査の手順は次の通りです。
@ 喫水マークの測読:船舶には船首/中央/船尾の左舷側・右舷側それぞれに喫水マーク(計6か所)が付されております。その喫水マークを測読し平均喫水を算出します。
A 海水密度の測定:船舶が浮かんでいる海水の密度を比重計により測定します。船舶が排除した海水の体積にその密度をかけることにより水上に浮かんでいる船舶全体の重量を算出します。
B バラスト水の測定:船舶のバラストタンクに海水を漲水することにより船舶の喫水や傾きを調整します。一般的に、バラストタンクは貨物満載時にはほとんど空に、何も積載していない時はフルに近い状態まで漲水されます。各バラストタンクに漲水されているバラスト水を測定しバラスト水の重量を算出します。
C 清水・燃料油等の持ち物の確認:清水・燃料油等の持ち物が船舶に何トン積載されているかを確認します。
D 排水量の算出:船舶備え付けの排水量テーブルにより平均喫水に相当する排水量を算出します。
E 積載貨物重量の算出:貨物積載前後に排水量を算出し、それぞれ変動するバラスト水・清水・燃料等を差し引きします。その差し引かれた積載前後の排水量の差が積載貨物重量ということになります。