コイケマリンサーベイ合同会社

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業務内容

VESSEL"

  1. 喫水検査の精度向上
  2. ドライバルク貨物には、鉄鉱石、石炭、穀物、塩、肥料、ウッドチップ、セメント等多くの種類があります。 その海上荷動き量は年間50億トン以上(2024年)にもなり、その取引数量の多くは船舶の喫水検査で決定されています。

    喫水検査は、大量のドライバルク貨物の数量決定方法として国際的に広く認知されている方法です。 この方法は、水上に浮かんでいる船舶という大きな器の喫水線上の喫水マークを目視で測読しますので、測読精度はその時の作業環境に大きく左右されます。 つまり、水上の風や波は時や場所により変化すること、また目視による測読には個人的にバラツキが生じること、さらに岸壁と水面との段差から生じる視差により喫水マークの測読値は変動します。 そのため、時や場所により喫水マークの測読値にバラツキが生じ、その結果、喫水検査数量の変動幅が大きくなります。その変動幅を改善し喫水検査の精度を向上するための具体策について以下提言します。

    はじめに、現在実施されている喫水マークの測読方法の現状を簡単に説明します。
    船舶の喫水マークは船首/船尾/中央の左右6か所に付されています。通常、船舶は岸壁に接岸されますので、岸側については岸壁から船首/船尾/中央の喫水マーク3か所を測読します。一方、岸側の反対側(以下海側と称します)については、中央の喫水マークのみを測読し、船首/船尾の喫水マークの測読値はそれぞれの船幅に応じて左右の傾斜値を算出し決定するのが一般的です。 海側について中央喫水マークだけを測読する大きな理由として、 最終的に算出される喫水マーク測読の平均値は75%の割合を中央喫水マークの測読値が占め、残り25%の割合を船首/船尾の測読値が各々12.5%占めることがあげられます。
    したがって、実務的に海側は中央喫水マークのみを測読する場合が多くなっており、一般的に次の三つの方法が実施されています。
    @ マノメーターによる方法
    A ジャコブスラダーによる方法
    B ドラフト用ボートによる方法

    @ のマノメーターによる方法は、船体中央部デッキ上の左右に液体を入れたチューブを這わせ船体の左右の傾斜値を測定します。岸側の中央喫水マークの測読値にマノメーターで測定した左右の傾斜値をプラスまたはマイナスし、海側の中央ドラフトマークの測読値を算出します。従って、岸側の測読値が大変重要となり、それに誤差があるとその誤差は海側の測読値にそのまま反映されることになります。

    A のジャコブスラダーによる方法は、海側の中央喫水マーク付近のハンドレールに縄梯子を固定して海面に向けて垂らし、それを伝って海面付近まで降りてゆき海側の中央喫水マークを測読します。縄梯子にぶら下がって測読しますので危険な上、測読値にもバラツキが生じやすくなります。

    B のドラフト用ボートによる方法は、小型ボートに乗船して海側の喫水マークを測読しますので、海側の中央喫水マーク以外に船首/船尾の喫水マークも測読出来ます。しかしながら、この方法は天候が少し悪くなるとボートが揺れて危険な上、測読に時間がかかりコストもかかるので最近日本で実施されるケースは少なくなっています。
    現在世界で実施されている喫水検査の大半は以上三つの方法のいずれかによります。いずれの方法も喫水マークの測読時に冒頭で述べた様々な変動が生じます。それらの変動を改善しないかぎり、喫水マークの測読精度は向上されません。

    そうした中で、中央の喫水マーク測読時に後述します喫水検定器(KENDRAFT)を使用すれば、測読時の変動を改善し限りなくゼロにすることができます。

    KENDRAFTの原理は非常にシンプルです。 同じ大気圧のもとで、水面下約5メートルの深さからパイプ内に水を取り込みますと、そのパイプ内側の水面はパイプ外側の水面と同じ高さで止まります。 パイプ外側の水面は風や波の影響により水面が上下しますが、パイプ内側の水面は水深約5メートルの静止流体から水を取り込んでいますのでほとんど動きません。そして、パイプ内側に浮子を入れてやれば浮子は風や波の影響を受けない静止水面で止まり、その浮子が止まっているところの喫水マークをミラーで測読すれば正しい水面に対応する喫水マークの測読が可能となります。
    また、鏡の角度は45°に設定されていますので、浮子が位置するところの喫水マークを近距離から水平に鏡に写すことができます。 そして、鏡に写っている浮子の中心が位置するところの喫水マークを測読すれば、視差のない正確な喫水マークを測読することができます。

    海面状態が悪くなると風や波の影響が大きくなり喫水マークの測読値に2センチメートル以上の差異が生じることも珍しくありません。 例えば、ハンディーマックスタイプの船型(典型的には52,000 - 58,000 載貨重量トン)の場合、2センチメートルの測読差異は貨物数量約100トンの差につながります。そうした中でKENDRAFTを使用すれば、その測読差異を1センチメートル以内にすることができます。

    結論として、喫水検査が行われる作業環境には様々な変動要因がありますので、それらを抜本的に改善しない限り精度の高い喫水マークの測読値を得ることは難しいといえます。そして、どのような作業環境の中にあっても精度の高い測読値を安定的に得るためには、喫水マークの測読方法に科学的でしかも標準的な方法を導入する事が必要不可欠です。
    そのためにKENDRAFTを導入することは現場の実情に合った大変合理的な対応方法であると考えます。 

  3. 喫水検定器(KENDRAFT)の利用促進
  4. 喫水検査の利点は、アルキメデスの浮力の原理を利用し水上に浮かんでいる船舶という大きな器の喫水マークを測読することにより大量の積載貨物の重量を短時間で算出することができること、またその時の気象・海象条件が良ければ非常に高い精度が得られることにあります。 しかしながら、現実の海上の気象・海象は風や波が常に変化しており、そのため喫水マークの測読値は時や場所により変動します。また、パーソナルエラーの違いや船舶の接岸状況から生じる視差の違いによっても測読値は変動します。 これらの様々な変動を小さくするために開発されたのがこの喫水検定器、KENDRAFTです。

    KENDRAFTの大きなメリットは次の2点です。

    @風や波の影響を受けない静止水面を検定器のパイプ内に作り出すことができる。

    A人が水面から視差なく水平に喫水マークを見ているのと同じ状況を作り出すことができる。

    KENDRAFTの明細につきましてはこちらをご覧ください。

  5. ドライバルク貨物の積揚げ一貫検定

  6. 積揚げ一貫検定を実施することにより海外から輸入されるドライバルク貨物または海外へ輸出されるドライバルク貨物の数量差を許容差内に収め、お客様の大切な貨物の数量を適切に管理する仕組みを提案させていただきます。

    積揚げ一貫検定を導入するメリットについてはこちらをご覧ください。

  7. マリン検査業務
  8. 船舶輸送による物流の中で、中立・公平な立場から様々なマリン検査業務に対応いたします。