強風で波が高い海面状態のときは、ベテランのサーベイヤーでも喫水マークの正確な測読はなかなか難しいものです。
また、船主・運航者・荷主など立場の違う関係者が同時に立ち会うと、それぞれの利害がからんできますので、意図的に喫水マークの測読が正しい値よりも深めに読まれたり浅めに読まれたりします。つまり、パーソナルエラーによる違いが生じます。さらに、岸壁と海面との段差が大きいときは視差が生じ、正確な喫水マークの測読が困難となります。
そこで、上記の状況を少しでも改善するために開発されたのが喫水検定器です。これを使うと、どのような作業環境の中であっても、誰が読んでもほぼ同じ値となります。
それでは、この検定器を使用することにより喫水マークの測読にどのような違いが生じるか次の動画で確認してください。
まずは、喫水検定器を使用しないで岸壁から中央喫水マークを見た状態です。あなたの測読の力を試してみてください。
Case 1:Case 2:
次に、本船デッキ上から喫水検定器を使用し上記と同じ岸壁側の中央喫水マークを見た状態です。
Case 1:Case 2:
どうですか? 測読の違いがお分かりいただけましたか?
この喫水検定器を使用することによる最大のメリットは、どのような海面状態であっても、またどのような視差があっても、容易にしかも正確に中央喫水マークが測読できるということです。